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BLOG

2023/09/03 19:56

秋田県で作陶されている中嶋窯さんの工房にうかがいました。

2年ほど前から自宅で使っている中嶋窯さんの器。

重厚感があり素朴で温かな風合いは、料理はもちろん他の器とも合わせやすく、食卓で活躍しています。

作り手の中嶋さんにぜひお会いしてみたいと思い今回の訪問となりました。

羽田空港から秋田空港までは1時間ほど。あっという間に秋田に到着です。

今年は猛暑の夏、8月最終週の秋田は東京と変わらぬ暑さでした。



中嶋さんの工房は、秋田空港から車で20分ほど。一本道を進んでいくと自然の中に佇むように、工房とご自宅があります。畑と木々に囲まれたとても素敵な場所です。

中嶋窯さんは、奥様のご実家がある秋田で2018年に工房を構えました。現在は4人の男の子のお父さんでもあります。

数日前より夏休みが終わりお子様には会えませんでしたが数匹の猫ちゃんが迎えてくれました。



工房の中は、秋の個展に向け制作中の作品が沢山。から繁忙時は夜遅くまで工房で制作をされています。



窯主の中嶋健一さんは青森県のご出身。高校を卒業後、秋田の美術工芸短期大学に進みました。(当時はイラストレーターなど、絵に関わる仕事に就こうかなと考えていたそうです)

そんな学生時代、同級生となった方が秋田の窯元「三温窯」の息子さんでした。仲が良く三温窯さんに頻繁に遊びに行っていたそうです。そこで物づくりや、自分でつくった器や土鍋で食卓を囲む楽しみを体験し陶芸に魅力を感じたそうです。そして、大学卒業後は陶芸の道に進むことを決めたそうです。

大学卒業後は、愛知、青森、島根と10年修業をされました。元々、河井寛次郎さんの焼き物がお好きだった中嶋さん。河井寛次郎氏の最後の内弟子として知られている森山窯さんで学ばれたことは現在の制作にも強く影響されています。

型物も多く制作。写真は型と押紋)


中嶋さんに最初に連絡をとった際「自宅で頻繁に使っています」と伝えると「日々使っているとおしえてもらう事が一番嬉しいです」と返信を下さいました。

学生時代の三温窯さんでの体験や各地での修行、民藝についても思索される中「使い心地がよく長く愛用できるものづくり」を大切にされている事が話の節々で伝わってきました。薪ストーブの灰を活かした釉薬を使うなど身近な自然を活かす事も大切にされています。


 現在、オンラインストアで作品をご紹介しています。


定番の白掛皿。灰釉による落ち着いた透明感のある色合い。どんなお料理も受け止めてくれます。




釉薬の溜まりや貫入が美しい楕円鉢。深みのある呉須の色合いも美しいです。



象嵌の8寸皿。象嵌の白により、より柔らかく優しい風合いに。煮物、サラダ、炒め物等幅広く使えます。


2018年に開窯され5年が経過した中嶋窯さん。現在はとても忙しく制作に取り組んでいらっしゃいます。

「今後はもう少し工房を広くできたらいいですね」とおっしゃっていました。


穏やかで丁寧にお話をしていただき、実り多い工房訪問ができました。中嶋さん、お忙しい中ありがとうございました!

実直で優しいお人柄が作品に表れている事を感じました。



 (プロフィール)

2005年 秋田公立美術工芸短期大学(現秋田公立美術大学)卒
2009年 愛知県立窯業高等技術専門校デザイン科卒/愛知県陶磁資料館勤務

2012年 青森県五所川原市つがる金山焼勤務

2014年 島根県大田市温泉津森山窯森山雅夫氏に師事

2018年 秋田県秋田市雄和にて独立開窯


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