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BLOG

2022/07/29 21:10

長野県塩尻市で作陶活動をされている降幡未来(ふるはたみき)さんの工房にうかがいました。 
降幡さんに初めてお会いしたのは5年ほど前。当時は、降幡さんが陶芸の学校を卒業し、少しずつ制作の幅を広げていらっしゃる頃でした。
2年前に地元の長野に戻り、この春からはご結婚を機に長野県塩尻市で新しい生活をスタートされました。



ー 未来さん、お久しぶりです。長野での新しい暮らしはいかがですか? ー

「塩尻市での生活も随分慣れてきました。ここはとても景色が良くて、部屋の窓からも空や畑がみえ穏やかな気持ちになります。少し前から野菜作りをはじめました。畑で草取りや土いじりをする事は大変ですが、無心で土を触るって良いですね。同じ土でも制作する時は色んな事を考えますが、畑では無心です(笑)」



降幡さんの作品の特徴の1つは、美しい色彩のグラデーション。
釉薬を重ね掛けすることで、色が重なり混じり合い、美しい色彩の世界が表現されています。

また、マットな質感と、丸みをおびた柔らかいフォルムも特徴です。


ー 美しい色彩やまるみを帯びたカタチなど、降幡さんの制作の原点となっていることはありますか? ー
「着物が好きで京都の大学で染織について学びました。その後、陶芸の道に進んだ時「染織と陶芸は似ているな」と感じました。どちらも色を重ねていくんです。例えば、黄色の上に青がのったら、溶け合い混ざり合い違う色が生まれる。その混ざり合い生まれる色の変化を表現したいなと思っています。
フォルムについては、自分では丸いものをつくろうと思っているわけではないのですが、出来あがると丸いですね(笑) 幼い頃から、土遊びや手を動かす事が好きでした。よく考えるとその頃から丸いものをつくっていましたね」




こちらはファンも多い鳥シリーズ。私も自宅で小さな花入れをつかっています。
優しい色彩とまるみをおびたカタチ。そして鳥の表情が何とも可愛く食卓が和みます。


ー鳥シリーズはどういった経緯でうまれたのですか? ー
「よく質問を受けるのですが、どうしても鳥がつくりたかったというわけではないんです。でも昔から鳥を飼っていて身近な存在でした。陶芸の学校の卒業制作で初めて鳥の作品をつくったんです。
鳥は、嘴と目があれば、どんな形でも取り入れてくれる自由度があり、その時の感覚を大切に自由にろくろをひくことができるんです。
鳥の表情を描く時も特に愛嬌よく描こうとしていないです。みてくださった方が可愛いと思ってもらえると嬉しいですね」

(工房では、可愛い文鳥のさくらが迎えてくれました)



降幡さんは高校を卒業後、京都の大学で染織を専攻しました。その後、アパレルの会社に就職し販売の仕事を4年ほど経験。その中で徐々に、自分の中にあるものをカタチにして表現したいという思いが強くなり、会社を辞め、岐阜県多治見市の学校で一から陶芸を学びました。
 
ー なぜ陶芸の道だったのですか? ー
「日々つかうものに、少しの変化や楽しみを届けたいと思っていたのですが、食器は年齢問わず誰もがつかうもので、身近な事が良いと思いました。テキスタイルの仕事は分業で行う事が多く一人でやり切ることは難しいですが、陶芸であれば一人で最後まで制作することができ、仕事にしていきたいと思ったんです。
日々つかうものに、ほんの少しの変化を届けることができたらいいなと思います。

小さな変化、小さな喜びをつくれる作品をつくりたいですね」


《プロフィール》
1987年長野県生まれ
2011年京都造形芸術大学 染織テキスタイルコース 卒業
2017年多治見市陶磁器意匠研究所 卒業
2019年長野県へ拠点を移す


降幡さんのインスタグラムはこちら↓

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