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2022/03/12 13:50


3月上旬、栃木県益子町の大誠窯にうかがいました。
1861年創業。現在は6代目の大塚邦紀さんと息子である7代目大塚誠一さんが窯を継承しています。200年以上前から続く伝統ある窯元で、益子の中でも最大規模の登り窯を使用しています。




登り窯は、ヒビを直したり、レンガを積みなおしたりと定期的な補修が必要です。焼成が難しくてロスも多い為、手間と労力が非常にかかるものです。焼き上げは、ガスや火を使わず薪窯のみ。赤松が燃料となり、赤松も地元のものを使っています。


「その時の窯の雰囲気で作品の表情が変わるんです」7代目の大塚誠一さんがおしえてくれました。

「炎の力が強く器に表れますし、灰がかぶり変化する事がまた味になるんです。毎回同じ仕上がりにならない、面白いですよ」


7代目の誠一さんは、益子の窯元に生まれ育ち、アメリカに留学後、兵庫県の篠山にある柴田雅章さんのもとで4年間修行されました。その後、大誠窯に戻り今に至ります。

味わいながら、面白がりながら作陶されているその姿が、作品に表れているんだなぁと感じました。




大誠窯の器は、柿釉を中心に、糠白釉・黒釉・飴釉・糠青磁釉といった益子伝統の釉薬を用いています。


地元の土を使用し、時にはご自身で山に土も掘りにいきます。器を覆う釉薬の原料も、藁や薪の灰など、益子のもの、自然なものを使ったものづくりを心がけています。


↑こちらは有名な「柿釉」。「柿釉」の原料は、益子で採掘される芦沼石(あしぬまいし)を粉末にしたものです。


窯の裏手では、カルガモやアヒルが気ままに歩いていて、ヤギの鳴き声も聞こえます。とてものどかな風景です。




登り窯を見学した後、裏側にいるヤギを見せて下さいました。なんと、偶然にも2時間ほど前に赤ちゃんヤギを出産したばかり。うまれたばかりの子ヤギが、母ヤギのお乳を飲む姿。何とも微笑ましかったです。

そこには、自然の中で、人や動物が当たり前のように一緒に暮らす日常がありました。




店内には、6代目の奥様、 7代目の若奥様が器の販売を担当されています。ご家族で協力しながら、大誠窯を支えていらっしゃいます。

お子様の元気な声、ヤギや鳥の鳴き声に包まれながら、素晴らしい焼き物が並んでいる窯元です。


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